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さて、シナリオについて語る前に我らが主人公についても少々。前作の主人公、藤田浩之といえば筋金入りのおせっかい焼き。一たびロックオンしてしまうとヒロイン達が迷惑がろうが拒否しようが、ズカズカと彼女達の抱えた悩み事に踏み込んでいき、問題が解決する頃にはもれなくヒロインの方がメロメロになってしまっているという、素敵スキルの持ち主でした。 それに対して本作の主人公、河野貴明は――。 「興味が無い訳ではないが、基本的に異性が苦手」 は? それ何て中○生日記? ……仮にもエロゲの主人公が女のコ苦手て。何ですか、その不利な特徴は。ガープスだったら何CPなんすかマスター?(軽度の内気:-5CP) どうせなら「国家規模の集団を敵にまわし(-40CP)」つつ、「足手まといな義理の妹@双子(-48CP)」がいる、くらいの設定を捻り出して欲しいものですって何の話だ。 とにかくそんな頼りない我らが主人公ですが、困った事に本作は複数のシナリオライターで構成されている為、ルートにより貴明の株価も乱高下しがち。 例えばエルメェスの兄貴並に男前な時(主に由真ルート)もあれば、ナイナイのやべっち並にヘタレの時(主にささらルート)もあるといった具合です。余談ですが、私は初回プレイ時にささらルートを辿ったので、主人公の余りのヘタレ具合に死にたくなりました。まぁ、それはそれだが。 ただ巷では「ヒロインによってシナリオ完成度にバラつきがある」と云われており、そのせいか我らが花梨会長は「いらない子」だの、「黄色」だの云われて散々な評価です。悲しすぎる。具体的には「ドリアンが幼児化してキャンディーを欲しがるシーン」と同じくらい悲しいです。 ……えっと何でしたっけ? そうそう、シナリオです。基本的には前作同様、各ヒロインと一緒に行動する内に彼女たちが抱える様々な悩みや問題に触れ、絆を深めていくという王道パターンです。 だがここでも問題になってくるのは主人公の性格。序盤、何かとヒロインを気にしている事を雄二にからかわれて、「俺は別にあのコが好きとかそんなんじゃないんだ」とか云ってるウチはまだいい。だが物語も後半を迎え、絆を深めたヒロインが目の前で「バッチコーイ!」の状態になってるのに「俺はこのコにそんな事をしたい訳じゃ……」とか悩みだすってのはどうよ。俺がミルコクロコップなら「お前は何をいっているんだ」と左ハイキックをお見舞いするところだ。 取り敢えず、ヒロインと出逢った瞬間に「生まれる前から好きでした―――!!」と云って押し倒すくらいの男気を見せて欲しいものであります(犯罪です) また本作品は個別ルートに入ると他ヒロインとの絡みが少ない(除くタマ姉&このみ)のが特徴ですが、殆どのヒロインルートでサブキャラが登場してくるのも特徴です。例えば姫百合姉妹ルートならイルファさん、由真ルートならダニエル、愛佳なら妹の郁乃といった具合です。 しかし何といっても印象的なのは、ささらルートで登場するまーりゃん先輩でしょう。前生徒会長にして学園OG、セクハラトーク連発な自称「永遠の14歳」、必殺技は「だぶるまーりゃんきーっく」で、本名不明な超絶ハイテンション娘、それがまーりゃん先輩です。とにかくヘタレな主人公を叱咤激励して支えたまーりゃん先輩は、文句なしでささらルートのMVPであります。その破天荒な性格と行動は一見の価値アリ。惚れるぜ。 さて、次はHシーンについてです。「とってつけた様な」と評する向きもあるようですが、そりゃ当たり前。もともとついてなかった所に付け加えたんですから。純愛ゲームの慣習に則り、一人につき1シーンとなっておりますが、1シーンの中で複数ラウンドに及ぶパターンが多く、良い意味で驚きました。 場所については学園モノらしく校内或いは主人公orヒロインの自室と至って普通。シチュも特殊なモノは無く、100%和姦です(当然だ) で肝心のシーンの中身ですが、悲しいかな、ヒロインによって中の人の艶技にバラつきがあります。そんな中で素晴らしいのは、やはり愛佳。くぐって来た戦場が違うんだと云わんばかりの大活躍。奥手な主人公も思わず「愛佳、エロいよ。俺、もう止まんないよ」とかそんな感じ。だがしかし、中の人に「お口の恋人」木葉楓嬢を配しておきながら、「砲塔清掃」が無かったのは何故かと小一時間問い詰めたい。 次にくるのはタマ姉でしょうか。その我儘な身体を駆使して縦横無尽に攻め立ててくる様は、正に肉体凶器。「ふふふ、逃がしゃしないよ!あたいを 誰だと思っているんだい!猫目のキャラ様だよ!!」(違) ところで姫百合姉妹は二人で一つのルートです。つまりは双子ルート。双子といえばふしぎ星であり、オルタナティブであり、パラドックスな訳ですが私が今主張したいのは姉妹丼。双子といえば姉妹丼であり、ツリ目金髪ツインテールといえばツンデレであり、三都主といえば左SBであり、冨樫義博といえば作者取材の為休載な訳です。 更にいうと双子ルートには珊瑚が開発したメイドロボ、イルファさんも登場する訳ですが、俺の 様な夢見がち社会不適合者としては是非イルファさんも含めて御相伴に預かりたい(←正に外道) そんな在る意味清々しい迄の欲望を前に、神は大山のぶ代ボイスで俺にのたまった。 「仕様が無いなぁ、茶之介君」 てな訳で双子ルートのHシーンは双子+イルファさんを相手に一戦交えるという、ジーコもびっくりの神采配。しかも双子を横目にまずイルファさんと初陣を飾る主人公の姿に、貴明お前は俺か俺なのかと。もはや全米どころか俺がヌイた。 総評です。誰もが(とは限らんが)味わった甘酸っぱい恋愛模様。何故だか女のコと会話するのが気恥ずかしかったあの頃の初々しい物語を貴方に。そう云ったところでしょうか。ただ日常パートは其処かしこにギャグが散りばめられていて愉しいのですが、こと恋愛に関することとなると唐変朴もとい、朴念仁な主人公。 (いや、そうじゃないだろ)(とゆーか、空気よめ)てな雰囲気は否めません。その辺りを笑って許せるかどうかがこの作品を愉しめるかどうかの分かれ目。まぁあれだ、「FIFAランク下位のチームと対戦している日本代表の試合」を観戦していてイライラしないで済む人ならOKってことですな(違います) また、前作のBGMやアニメ版の曲等もふんだんに使われているので、あの懐かしい世界に浸りたい……といったオールドユーザーの方などは、購入を検討されてみては如何でしょうか。
by nekp
| 2006-01-15 00:23
| 戯言:茶之介
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